事業概要
同社グループは「Technology × Human = Future Creation(ITと人財で未来を創造する)」を企業理念に掲げ、システムソリューションサービス事業を中核として、人財育成と拡充による事業拡大を目指している。ITと人財という二つの要素を駆使し、顧客企業、株主、従業員を含むステークホルダーへの貢献を通じて企業価値の向上を追求する。中長期ビジョンとしては、「答えを創る次世代の経営課題コンサルティング企業」として、技術力・規模ともにシステムソリューションサービス業界の首位グループに位置づけられることを目標としている。この目標達成のため、「業界有数の人財数」「業界有数の技術力」「オリジナルの制度に基づく人財育成力」の三要素の充足を不可欠と考えている。主要事業は、システム開発の上流工程から保守・運用までをカバーする派遣を通じた技術提供であり、近年はM&Aや業務提携を通じて、コンサルティングや受託開発といった高付加価値領域への拡大を積極的に進めている。2025年4月にはM&A仲介事業を強みとする株式会社HCフィナンシャル・アドバイザーがグループに加わり、企業価値協創型のコンサルティング提供能力を強化した。
直近決算ハイライト
2025年9月期(当連結会計年度)の業績は、売上高8,945百万円(前期比24.8%増)、売上総利益2,717百万円(前期比30.7%増)と、堅調な成長を遂げた。これは、DX需要の拡大を背景とした大手システム開発企業からの受注好調や、コンサルティング・受託開発領域への積極投資、技術者派遣における商流改善・単価向上・新規顧客開拓による稼働率維持・改善といった多岐にわたる施策が奏功した結果である。販売費及び一般管理費は、人的資本経営推進に伴う採用活動費の増加やM&A関連費用が計上されたものの、営業利益は781百万円(前期比23.9%増)、経常利益は773百万円(前期比22.8%増)といずれも増加した。一方で、保有する投資有価証券の時価下落により、77百万円の投資有価証券評価損を特別損失として計上している。資産合計は4,495百万円(前期比47.7%増)と大幅に増加しており、これは主に株式会社HCフィナンシャル・アドバイザーの取得に伴うのれんの増加(756百万円)や現金及び預金の増加(414百万円)によるものである。負債合計も2,965百万円(前期比75.4%増)と増加しており、借入れに伴う長期借入金の増加が主な要因となっている。
強みと競争優位性
同社グループの競争優位性は、システム開発の全工程を網羅する包括的なサービス提供能力にある。子会社7社を通じて、コンサルティングから保守・運用まで、一貫してIT人材サービスを提供できる体制を構築している。特に、上流工程への参画拡大を目指し、子会社である株式会社アセットコンサルティングフォースを中心に、コンサルティング業など利益率の高い領域の獲得に注力している点は、単なる派遣業に留まらない付加価値創出への意欲を示す。また、独自の教育プログラム「スキルアッププロジェクト」や、経験の浅いエンジニアを上流工程のエンジニアと共に派遣する育成体制は、エンジニアのスキルアップと単価向上、ひいては受注拡大へと繋がる好循環を生み出す原動力となっている。さらに、幅広い業種・案件に対応できる独立系であること、保守運用による継続的な収益基盤の構築、そしてM&Aによる戦略領域への積極投資は、外部環境の変化に強い企業体質と持続的な成長戦略を支える強みとなっている。
リスク要因
同社グループが直面するリスクは多岐にわたる。まず、主力事業であるシステムソリューションサービス事業は、労働者派遣法をはじめとする法令規制の変更や強化の影響を受けやすく、許可取消等が生じた場合には事業活動に重大な支障をきたす可能性がある。また、自然災害、感染症の流行、サイバー攻撃といった外部要因も、事業活動の制限や情報システム停止のリスクとなり得る。経営成績は、主要顧客である大手システム開発企業の業績動向やIT投資の増減に大きく影響されるため、景気低迷や経済環境の変化は受注減少に繋がる可能性がある。さらに、優秀なIT人材の確保・育成・定着が事業の根幹をなすため、少子高齢化や労働人口減少による採用難、風評被害などは、人材獲得におけるリスクとなる。M&Aを積極的に推進する一方で、買収後の経営統合の失敗や期待したシナジー効果が得られないリスク、のれんの減損リスク、有利子負債の増加による財務負担増のリスクも内包している。情報漏洩や品質・納期遅延といったオペレーショナルリスクも、信用失墜や損害賠償請求に繋がる可能性がある。
投資テーマとの関連
同社グループは、IT人材サービスを中核事業としており、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進という現代の主要な投資テーマと深く関連している。経済産業省によるDX推進やデジタル庁新設、テレワークへのシフト本格化といった動向は、IT投資の拡大を後押しし、ITエンジニアへの需要を高めている。特に、IT人材不足が深刻化する中で、同社グループが提供するエンジニアの教育・派遣サービスは、この課題解決に貢献する役割を担う。また、株式会社TARAを子会社化しAIソリューションを提供するなど、AI分野への進出も図っており、AI技術の発展と普及という投資テーマとの接点も有している。さらに、M&Aによる事業拡大戦略は、企業の再編や成長機会の獲得という観点から、関連する投資テーマとも連携する可能性がある。システム開発の各工程に派遣可能なエンジニア集団の保有や、上流工程への参画拡大を目指す戦略は、ITインフラやソフトウェア開発といったテーマにおいても、そのサプライチェーンの一部を担う存在として位置づけられる。