事業概要
当期決算期である2026年2月期において、同社は印刷・コーティング・ラミネート・成型加工を主軸とした「印刷関連事業」を展開する企業グループです。具体的には、グラビア印刷、コーティング、ドライラミネート及びサーマルラミネート、そしてプラスチックシートの成型加工といった多岐にわたる加工技術を駆使し、様々な産業分野に製品を供給しています。売上構成としては、食品関連が最も大きく、乳製品、コンビニエンスストア向け、農水産・加工食品向け、そしてその他の包装資材などが含まれます。次いで、IT・工業材関連では、モバイル機器、二次電池、自動車内装材、半導体関連部材などを手掛けています。さらに、建材関連、生活資材関連、医療・医薬関連の分野でも事業を展開しており、多様な市場ニーズに対応しています。また、リサイクルペレットの製造や、自社特許技術を搭載した印刷機・ラミネーター機の製造販売も行っている点が特徴です。同社は、これらの事業活動を通じて、社会に不可欠なものづくりを目指しています。
直近決算ハイライト
2026年2月期決算において、同社は売上高496億円(前期比1.0%増)、営業利益30億円(前期比3.1%増)と、堅調な業績を達成しました。経常利益は31億円(前期比5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億円(前期比8.2%増)となり、増収増益で着地しました。特に、IT・工業材関連分野では、機能性材料やスマートフォン用途、半導体関連、自動車内装材などが総じて堅調に推移し、売上高は前年同期比3.8%増、売上総利益は同24.6%増と、利益面で大きく貢献しました。生活資材関連でも、利益率の高い自社商品の販売が好調で、売上高は同0.6%増、売上総利益は同3.5%増となっています。一方で、医療・医薬関連分野では、病院関連の輸液包材が減少し、売上高は同0.9%減となりました。全体としては、コスト上昇の要因がありながらも、生産効率の改善や販売活動の強化が奏功し、増収増益を達成した結果と言えます。
強みと競争優位性
同社の強みは、長年にわたり培ってきたグラビア印刷、コーティング、ラミネート、成型加工といった多岐にわたる加工技術力にあります。特に、食品関連分野で展開する「NAK-A-PET」「NC-PET」「NS-PET」といった自社開発品は、薄肉化による省資源化、リサイクル可能性、高耐熱性、熱接着性など、環境配慮や機能性、衛生管理といった顧客ニーズに応える高い付加価値を有しており、競争優位性の源泉となっています。また、これらの独自技術を活かし、IT・工業材分野におけるスマートフォンや二次電池関連、自動車内装材などの高機能素材や、建材、生活資材といった幅広い用途に展開している点も強みです。さらに、国内外に複数の生産拠点を有することで、サプライチェーンの多様化やグローバルな顧客ニーズへの対応力を高めています。これらの技術力と事業展開の幅広さが、同業他社との差別化を図り、安定した収益基盤を築く上で重要な要素となっています。
リスク要因
同社は、事業運営において複数のリスク要因に直面しています。まず、国内景気や個人消費の動向が、幅広い業種の顧客企業との取引に影響を与える可能性があります。また、主要原材料であるプラスチック素材の価格は、原油市況や為替変動の影響を受けやすく、地政学リスクによる調達難やサプライチェーンの混乱が経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。さらに、海外販売の拡大に伴い、為替変動の影響が大きくなる可能性があります。研究開発への投資は将来の成長に不可欠ですが、計画通りの進捗や成果が得られないリスクも存在します。加えて、製品の品質不良による製造物責任追及や、環境規制の強化に伴う追加負担、海外事業における政治・経済・社会情勢の変動、自然災害や事故災害による操業停止リスクも考慮すべき要因です。競争環境においては、競合他社の低価格戦略や模倣による販売価格やシェア低下のリスクも存在します。
投資テーマとの関連
同社は、直接的にAIや半導体といった最先端技術を開発・提供する企業ではありませんが、IT・工業材関連分野において、スマートフォンや半導体製造工程で使用される部材、二次電池(リチウムイオン電池)関連のコーティング加工などを手掛けており、これらの成長分野のサプライチェーンの一端を担っています。特に、AIやEV(電気自動車)の普及に伴い、高性能な電子部品や二次電池の需要は今後も拡大が見込まれるため、関連部材の供給を通じて、これらの投資テーマの恩恵を受ける可能性があります。また、同社が注力する環境対応製品の開発・販売は、サステナビリティやGX(グリーン・トランスフォーメーション)といった投資テーマとも合致しており、環境意識の高まりが同社の事業成長を後押しする可能性があります。リサイクル原料の使用やCO2削減への取り組みは、これらのテーマとの関連性をさらに深めています。