事業概要
当グループは、創業以来「人の生活を大切にする」という基本理念のもと、多岐にわたる事業を展開しています。主要事業はタクシー事業、バス事業、不動産分譲事業、不動産賃貸事業、不動産再生事業、不動産金融事業などです。タクシー事業では、全国規模のネットワークと地域密着型のサービスを展開し、EVタクシーの導入やMaaSへの参画も進めています。バス事業では、沖縄県を中心に路線バス、観光バス、コミュニティバスを運行し、EVバスの導入や自動運転技術の実証実験にも取り組んでいます。不動産事業においては、分譲マンションや戸建住宅の供給、商業施設やマンションの賃貸、中古物件の再生・販売、不動産担保融資など、幅広いニーズに対応しています。これらの事業を基盤に、他業種との提携も視野に入れ、地域に根差した生活関連サービスを提供するLAN S(ローカル・エリア・ネット・サービス)カンパニーの確立を目指しています。2026年3月期における売上高は1,125億円で、前期比13.1%増と堅調に推移しました。
直近決算ハイライト
2026年3月期の決算では、売上高は1,125億円となり、前期比13.1%の増加を達成しました。営業利益は36億円で前期比17.6%増、経常利益は41億円で同1.2%増、当期純利益は21億円で同17.6%増と、増収増益となりました。特に、タクシー事業では運賃改定の効果や稼働効率の向上により、セグメント損失が前期の23.2億円から15.5億円へと大幅に縮小しました。バス事業では、観光需要の回復などを背景に売上高が2.2%増、利益が26.5%増と好調でした。不動産分譲事業は、大型マンションプロジェクト用地売却の反動減により売上高は8.7%増となったものの、利益は64.0%減となりました。不動産再生事業では、大型再開発物件の一部売却により売上高が128.0%増、利益が119.4%増と大きく伸長しました。不動産金融事業も、融資残高の増加に伴い売上高が43.3%増、利益が56.2%増と堅調でした。全体として、売上高、営業利益、当期純利益において顕著な成長が見られます。
強みと競争優位性
当グループの強みは、タクシー事業と不動産事業という、人々の生活に不可欠なサービスを複数柱としている点にあります。タクシー事業においては、全国規模のネットワークと地域密着型のきめ細やかなサービス提供能力、さらに「ママサポートタクシー」や「子どもサポートタクシー」といった独自のサービス展開が顧客基盤の強化に寄与しています。また、EVタクシー導入やMaaSへの参画といった先進的な取り組みは、業界内での差別化要因となっています。不動産事業においては、分譲から賃貸、再生、金融まで一貫して手掛けることで、市場の変化や顧客ニーズに柔軟に対応できる体制を構築しています。特に、不動産再生事業における大型物件の売却成功や、不動産金融事業における融資残高の増加は、事業ポートフォリオの有効活用と収益力向上を示唆しています。さらに、グループ通算制度の適用やCMS導入によるグループ内資金効率の向上も、経営効率を高める上で有利に働いています。
リスク要因
当グループが直面するリスクとしては、まず燃料価格の変動が挙げられます。LPGや軽油などの価格高騰は、タクシー・バス事業の収益を圧迫する可能性があります。また、タクシー・バス業界における乗務員不足と、それによる稼働率の低下も深刻な課題です。時間外労働の上限規制適用開始により、さらなる労働環境の適正化と稼働率維持の両立が求められます。不動産事業においては、景気変動、資材価格や人件費の高騰、金利動向などが、分譲マンションの販売価格や建築費、賃貸物件の収益性に影響を与える可能性があります。特に、不動産金融事業では、担保不動産の価格下落による貸倒リスクの高まりが懸念されます。さらに、個人情報保護法遵守の重要性が高まる中、顧客情報の流出事故発生リスクも潜在的なリスクとして存在します。これらのリスクに対し、グループ全体での管理体制強化と迅速な対応が求められます。
投資テーマとの関連
当グループの事業は、いくつかの重要な投資テーマと関連しています。まず、タクシー事業におけるEVタクシーの導入や「全国タクシーEV化プロジェクト」への参画は、脱炭素化や持続可能な社会の実現といったテーマと強く結びついています。また、MaaSへの参画や「my route」アプリでのデジタルチケット販売、遠隔点呼によるDX推進は、デジタルトランスフォーメーション(DX)やスマートシティといったテーマへの貢献を示唆しています。不動産事業におけるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)導入は、環境配慮型住宅への需要の高まりというテーマに沿ったものです。さらに、バス事業における自動運転バスの実証実験は、自動運転技術の進化と普及という将来的なテーマへの布石となり得ます。これらのテーマとの関連性は、当グループが時代の変化に対応し、持続的な成長を目指していることを示しており、投資家にとって注目すべき点と言えるでしょう。