事業概要
当社グループは、建築・測量・土木分野に特化したCADソフトウェアの開発・販売を主軸とする「建築システム事業」と「測量土木システム事業」、選挙関連のITソリューションを提供する「ITソリューション事業」、そして将来の成長を見据えた「投資事業」の4つのセグメントで事業を展開しています。建築システム事業では、建築図面や見積書作成の効率化を支援するソフトウェアを建築設計事務所、工務店、ハウスメーカー、ゼネコン等に提供しています。測量土木システム事業では、土地・建物図面の作成や土木工事の効率化・安全性向上に資するソフトウェアを測量会社、土地家屋調査士、土木業者等に提供しています。ITソリューション事業では、選挙の出口調査等に用いられるモバイル・Webアプリケーションを開発しています。投資事業では、建設テック分野のスタートアップ等へ投資を行い、技術・ノウハウの共有やビジネスパートナーシップ構築を通じて、グループ全体の持続的な成長を目指しています。2026年3月期においては、売上高167億円、営業利益73億円を達成しました。
直近決算ハイライト
2026年3月期の決算では、売上高は前期比13.2%増の167億円、営業利益は同19.4%増の73億円と、増収増益を達成しました。これは、建築基準法改正や国土交通省が推進するi-Construction、BIM/CIM原則適用といった国策への対応、および製品価格の改定が寄与した結果です。特に建築システム事業は同16.3%増の80億円超、測量土木システム事業も同9.7%増の78億円超と、両事業ともに堅調に成長しました。ストック型ビジネスである保守サービスのARR(年間定期収益)およびARPA(契約企業あたりの年間定期収益)も拡大しました。ITソリューション事業も選挙関連の売上計上により同18.0%増となりました。一方、投資事業においては、運営経費による4百万円の営業損失が発生しました。利益面では、営業利益、経常利益ともに増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.0%増の43億円となりました。
強みと競争優位性
当社の強みは、建築・測量・土木という建設業界のバリューチェーン全体をカバーするソフトウェアソリューションを提供できる点にあります。特に、建築システム事業と測量土木システム事業における長年の実績と高い市場シェアが基盤となっています。これにより、顧客の多様なニーズに応える包括的な提案が可能です。また、保守サービスなどのストック型ビジネスへのシフトは、安定的な収益基盤の構築に貢献しています。最新技術への対応も進めており、3D Gaussian Splatting(3DGS)への対応やBIM/CIM関連ソフトウェアの開発は、技術革新への追随能力を示しています。さらに、投資事業を通じて建設テック分野のスタートアップとの連携を深めることで、新たな技術やビジネスモデルを取り込み、将来の成長ドライバーを育成する体制を構築している点も競争優位性となります。
リスク要因
当社グループの業績は、主たる事業である建築・測量・土木用CADソフトウェア販売が総販売実績の95.4%を占めることから、建設業界の動向に大きく影響を受けます。建設業界は少子高齢化や財政上の制約から中長期的には市場縮小が懸念されており、これが業績の制約となる可能性があります。また、急速に進む情報技術革新、特にWindows以外のOSやクラウドサービス、BIM/CIMといった新しい技術への対応の遅れは、競争力の低下につながるリスクがあります。ソフトウェア業界特有の知的財産権に関する問題や、SaaS提供における個人情報漏洩のリスクも潜在的な脅威です。さらに、投資事業においては、投資先の業績悪化による有価証券評価損の発生や、期待したキャピタルゲインが得られない可能性もリスクとして挙げられます。
投資テーマとの関連
当社グループは、建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に不可欠なソフトウェアソリューションを提供しており、これは「DX」および「建設テック」といった投資テーマと深く関連しています。BIM/CIMの普及やi-Constructionといった国の政策とも連携し、事業機会を捉えています。また、中期経営計画では、サービスプラットフォームのローンチや共通データ環境の構築を通じて、建設業界全体の生産性向上や省力化・省人化を支援することを目指しており、これは「働き方改革」や「生産性向上」といったテーマにも合致します。投資事業を通じて建設テック分野のスタートアップへの投資を行うことは、AI、IoT、ビッグデータといった先端技術の活用を促進し、将来的なイノベーション創出に貢献する可能性を秘めています。気候変動対策として、建設業界のGHG排出量低減に貢献するICTソリューションの提供も目指しており、「サステナビリティ」や「ESG」といったテーマへの貢献も期待されます。