事業概要
当社グループは、モビリティ産業を中心に、クラウドサービスおよびパッケージシステムを提供するITソリューション企業です。自動車アフターマーケットにおける40年以上の歴史と、国内車両整備データの約4分の1を占める膨大かつ機密性の高い独自データを強みとしています。主力事業は、自動車ガラス商向けクラウドサービス『Glass.c』、自動車整備業向けクラウドサービス『Maintenance.c』、鈑金業向けクラウドサービス『Repair.c』などの「.cシリーズ」を展開し、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。これらのサービスは、業務効率化のみならず、経営・業務改革を支援するトータルマネジメントシステムへと進化させており、顧客のイノベーション実現とビジネス変革に貢献することを目指しています。また、自動車部品の電子受発注サービスや、これらのデータを活用したカーオーナー向け新サービス創出にも注力しており、事業領域の拡大と中長期的な企業価値向上を図っています。SDGs達成に向けた取り組みも強化しており、持続可能な社会の実現にも貢献する企業姿勢を示しています。
直近決算ハイライト
2025年12月期は、売上収益が前期比15.4%増の208億15百万円と大幅な増収を達成しました。この成長は、主力であるクラウドソフト『.cシリーズ』への切り替えが順調に進み、クラウドサービス売上が同44.1%増加したことが牽引しました。一方で、パッケージシステム売上は同23.5%減少しましたが、これはクラウドサービスへの移行による構造的な変化であり、全体としては増収要因となっています。PC買い替え需要に支えられた「その他」の売上も同37.7%増加しました。利益面では、売上原価の増加やITインフラ強化費用、減価償却費の増加があったものの、AI活用による業務効率化でコスト最適化を推進した結果、営業利益は同206.0%増の20億63百万円と大きく伸長しました。親会社の所有者に帰属する当期利益も同261.3%増の12億40百万円となりました。クラウド化比率は35.1%に達し、中期経営計画における「クラウドの浸透」戦略が着実に進展していることが示されています。
強みと競争優位性
当社の最大の強みは、自動車アフターマーケットにおいて40年以上にわたり培ってきた強固な顧客基盤と、国内車両整備データの約4分の1に相当する膨大かつ機密性の高い独自データです。このデータは、AI技術との組み合わせにより、他社が容易に模倣できないユニークなサービス創出の源泉となります。また、モビリティ産業の100年に一度と言われる変革期において、AIや自動運転、電動化といった最新技術の進展に対応するため、Broadleaf Cloud Platformの拡大と顧客のDX支援を強化しています。パッケージシステムからクラウドサービスへの移行を計画的に進めることで、サブスクリプション型収益モデルへの本格転換を図り、安定的な収益基盤の構築を進めています。さらに、自動車ガラス商向け、自動車整備業向けなど、特定の業界に特化したクラウドサービスを展開し、その業界のニーズに深く応えることで、高い顧客満足度と市場シェアを獲得しています。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとしては、まず市場環境の変化と法規制の影響が挙げられます。モビリティ産業は急速な技術革新や制度変更が頻繁に起こるため、これらへの迅速な対応が遅れると業績に影響を及ぼす可能性があります。また、クラウドサービス提供において、第三者が提供する基盤の障害やサービス利用料の高騰、自社開発システムにおける技術革新への対応遅延や代替技術の出現もリスクとなり得ます。さらに、事業の多くをコンピュータシステムとネットワークに依存しているため、ネットワーク障害やサイバー攻撃による業務停止のリスクも存在します。加えて、商品の不具合による損害賠償責任の発生、機密情報・個人情報の漏洩、優秀な人材の獲得・育成の遅延や流出なども、企業価値に影響を与える要因となり得ます。これらのリスクに対し、同社は発生防止策や影響最小化策を継続的に実施していますが、予期せぬ事態への対応は常に課題となります。
投資テーマとの関連
当社は、ITサービス企業として、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進という投資テーマに深く関連しています。特に、クラウドサービスの普及とプラットフォーム型サービスの開発は、現代のビジネス環境における必須要素となっています。また、保有する膨大な自動車関連データとAI技術の活用は、データ活用やAIといった成長テーマとも結びついています。モビリティ産業という、AI、自動運転、電動化といった最先端技術が集積する分野で事業を展開していることから、これらの技術革新が当社のサービス開発や顧客ニーズに与える影響は大きく、関連性は高いと言えます。さらに、同社が推進するeコマースによる自動車部品受発注ビジネスや、環境保全活動への取り組みは、サプライチェーンの効率化やサステナビリティといったテーマとも関連性が見られます。これらのテーマへの対応を通じて、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。