事業概要
当社グループは、「Impact On The World」を経営理念に掲げ、データとテクノロジーを活用して世界中の企業のマーケティング活動を支援し、売り手と買い手の幸せを創出することをビジョンとしています。2026年9月期より事業セグメント名称を「マーケティングAI事業」と「コマースAI事業」に変更し、生成AIをはじめとする先端テクノロジーを活用することで、顧客企業の生産性向上と競争力強化を支援しています。主力事業は「マーケティングDX支援事業」と「コマース支援事業」の二つです。「マーケティングDX支援事業」では、インターネット広告の効果測定プラットフォーム「アドエビス」などを提供し、広告代理店向けプラットフォームビジネスや新サービス開発を進めています。一方、「コマース支援事業」では、EC構築のためのオープンプラットフォーム「EC-CUBE」の提供や、EC構築・運用支援、フルフィルメントサービスなどを展開しています。中期経営方針「VISION2027」では、プロダクト開発会社から、プロダクトと専門性を持つ人材によるビジネスパートナーへの変革を目指し、売上高100億円の達成とROE10%以上の達成を目標としています。
直近決算ハイライト
当連結会計年度において、当社グループは売上高49億3473万円(前期比35.7%増)、営業利益2億7889万円(前期比69.6%増)、経常利益2億7965万円(前期比72.5%増)を達成しました。これは、主力の「マーケティングDX支援事業」および「コマース支援事業」の売上増加によるものです。特に「マーケティングDX支援事業」は、売上高29億2354万円(前期比2.2%増)となり、主力サービス「アドエビス」の売上伸長や新規SaaS「アドエビスキャンペーンマネージャー」の提供開始が貢献し、セグメント利益は2億7268万円(前期比80.6%増)と大幅に増加しました。一方、「コマース支援事業」は、EC構築事業の増収により売上高20億1769万円(前期比159.2%増)と大きく伸長しましたが、EC構築事業の外注費増加や利益率の高い決済手数料収入の減収により、セグメント利益は620万円(前期比17.0%減)となりました。しかしながら、M&A関連のれん償却額や減損による特別損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は1億4219万円(前期は6876万円の純利益)となりました。
強みと競争優位性
当社グループの強みは、インターネット広告市場における長年の実績と、データとテクノロジーを駆使したソリューション提供能力にあります。主力サービスである「アドエビス」は、広告効果測定プラットフォームとして多くの顧客基盤を有しており、そのデータ分析能力は高い競争優位性となっています。また、EC構築プラットフォーム「EC-CUBE」は、フリーミアムモデルのオープンソースとして提供されており、エコシステムを構築することで、決済代行事業者等との連携による安定した収益源を確保しています。さらに、中期経営方針「VISION2027」で掲げる、プロダクト開発会社からビジネスパートナーへの変革は、単なるサービス提供にとどまらず、高度な専門性を持つ人材と共に顧客のビジネスを推進していくという戦略であり、これが実現されれば、より付加価値の高いサービス提供が可能となり、競争優位性が一層高まることが期待されます。生成AIを活用した新サービス開発にも積極的に取り組んでおり、技術革新への対応力も強みと言えます。
リスク要因
当社グループの事業運営には、いくつかのリスク要因が存在します。まず、インターネット広告市場およびEC市場の動向に大きく依存しているため、市場全体の縮小や急激な景気変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主力サービスである「アドエビス」への収益依存度が高いことは、同サービスの需要変動や競合激化による影響を受けやすい構造と言えます。インターネット広告配信方針やブラウザの仕様変更による情報取得の制限も、サービス品質低下のリスクとなります。さらに、M&Aを事業拡大の手段としているものの、買収した事業の運営が計画通りに進まないリスクも存在します。システム障害や情報セキュリティインシデントの発生は、事業継続に重大な支障をきたし、信頼失墜につながる可能性があります。加えて、生成AIをはじめとする技術革新への迅速な対応が遅れた場合、競争優位性が低下するリスクも考慮すべきです。
投資テーマとの関連
当社グループは、生成AIおよびDX(デジタルトランスフォーメーション)といった、現代の主要な投資テーマに深く関連しています。事業セグメント名称を「マーケティングAI事業」「コマースAI事業」へ変更し、生成AIを積極的に活用したプロダクト開発を進めていることは、AI分野への投資テーマとの親和性の高さを明確に示しています。「アドエビスキャンペーンマネージャー」のような、生成AIを組み込んだマーケティング支援製品は、AIのビジネス応用という観点から注目に値します。また、顧客企業の生産性向上や競争力強化を支援する事業内容は、DX推進という大きな流れにも合致しています。EC市場の拡大も、デジタル化・オンライン化という広範なテーマに沿っており、同社の「コマース支援事業」は、このテーマにおける成長機会を捉えるポテンシャルを有しています。これらのテーマとの関連性の深さは、今後の企業価値向上に寄与する可能性を秘めています。