事業概要
大塚グループは、人々の健康に貢献することを企業理念に掲げ、医療関連事業とニュートラシューティカルズ(NC)関連事業を二つのコア事業として多角的に展開しています。医療関連事業では、精神・神経、がん、循環器・腎、自己免疫領域を重点領域とし、アンメットメディカルニーズに応える革新的な医薬品・医療機器の研究開発、製造、販売を行っています。特に、「レキサルティ」「ロンサーフ」「エビリファイ」シリーズといった大型製品が収益を牽引しています。NC関連事業では、「ポカリスエット」や「ネイチャーメイド」などのブランドを中心に、機能性飲料、食品、サプリメントなどを提供し、人々の健康維持・増進をサポートしています。これらの事業を通じて、疾患の治療から予防、健康増進まで、トータルヘルスケアの実現を目指し、Well-beingの向上に貢献する製品・サービスを提供しています。
直近決算ハイライト
2025年12月期(第4次中期経営計画の2年度目)において、大塚グループは売上収益2兆4,688億92百万円(前期比6.0%増)を達成し、増収基調を維持しました。これは、医療関連事業における「レキサルティ」「ロンサーフ」などのコア製品や持続性注射剤の売上増加、そしてNC関連事業における3つの社会課題別カテゴリー全てでの成長によるものです。研究開発費投資前事業利益は7,989億68百万円(同7.3%増)と増加し、売上総利益の増加が貢献しました。研究開発費は3,528億38百万円(同12.3%増)と増額されており、将来の成長ドライバーとなる新薬候補の開発に積極的に投資していることが伺えます。結果として、事業利益は4,461億29百万円(同3.6%増)と堅調に増加しました。営業利益は4,793億75百万円(同48.2%増)と大幅に増加しましたが、これは持分法投資損益の改善やマイクロポート社株式売却益の計上、そして減損損失の減少によるものです。親会社所有者帰属当期利益は3,631億50百万円(同5.8%増)となりました。
強みと競争優位性
大塚グループの強みは、医療関連事業とNC関連事業という二つの柱を持つ、ユニークで多角的な事業ポートフォリオにあります。医療関連事業においては、精神・神経、がん領域などを中心とした重点領域における研究開発力と、大型製品である「レキサルティ」「ロンサーフ」などがもたらす安定的な収益基盤が競争優位性の源泉です。これらの製品は、アンメットニーズに応えることで市場での地位を確立しています。また、NC事業では、「ポカリスエット」「ネイチャーメイド」といった強力なブランド力と、サイエンス・ノウハウを活かした製品開発力が、健康意識の高まりを背景に成長を牽引しています。さらに、グローバルな事業展開と、M&Aやアライアンスを積極的に活用する柔軟な成長戦略も、競争優位性を高める要因です。買収した企業や提携先とのシナジー創出により、技術基盤の強化や製品ポートフォリオの拡充を図っています。
リスク要因
大塚グループの事業運営には、いくつかの重要なリスク要因が存在します。医療関連事業においては、新薬開発における不確実性が大きなリスクです。多額の研究開発投資が必要であり、臨床試験の遅延や失敗、予期せぬ副作用の発生などは、開発中止や売上機会の損失につながる可能性があります。また、各国政府による薬価抑制策や医療費削減の動きは、医薬品の価格設定や収益性に直接的な影響を与える可能性があります。NC関連事業や消費者関連事業においては、食の安全・品質に関するリスクが挙げられます。製造プロセスにおける問題や、サプライチェーン全体での品質管理の不備は、製品回収や販売停止、そしてブランドイメージの低下を招く恐れがあります。さらに、世界的な地政学的リスクの高まりや、原材料価格の変動、為替変動なども、事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
投資テーマとの関連
大塚グループは、ヘルスケア分野における「個別化医療」「病気の克服」といったテーマに深く関連しています。特に、がん領域や精神・神経領域における新薬開発は、AIやゲノム解析といった先進技術の活用が期待され、将来的な成長ドライバーとなり得ます。また、NC事業における健康維持・増進、Well-beingの追求は、高齢化社会の進展や健康寿命の延伸といった社会的なニーズに応えるものであり、これらのテーマへの貢献度は高いと言えます。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、デジタルヘルス分野への取り組みも進んでおり、これらは医療の効率化や新たな価値創造に繋がる可能性があります。一方で、直接的なEV(電気自動車)や半導体といったテーマとの関連性は限定的ですが、ヘルスケア・バイオ分野におけるイノベーション企業として、広義のテクノロジー投資テーマに含めることも可能です。