事業概要
当社は、「INFRASTRUCTURE+LIFE+INNOVATION」を企業理念に掲げ、AIアルゴリズムとテクノロジーを用いて社会インフラの計画最適化に取り組む企業です。具体的には、電力・エネルギー、物流・サプライチェーン、都市交通・スマートシティの3分野に注力し、AI技術や数理最適化技術を活用した計画最適化ソリューションを開発・提供しています。これらのソリューションは、電力需給計画の最適化、再生可能エネルギーの制御、配船計画、生産計画、修繕計画など、顧客のコア業務である計画業務を支援します。当社のビジネスモデルは、AIエンジンの開発(AI開発)、AIエンジンを搭載した業務システムの導入(システム開発)、そして運用・サポートという一連の流れで構成されており、特に運用・サポートはストック型売上として安定的な収益基盤となっています。社会インフラ分野における人材不足やサービスの安定供給といった課題に対し、属人性を排除し短時間で最適な計画を提供する当社のサービスは有力な解決策として期待されており、今後も継続的な事業成長を目指しています。
直近決算ハイライト
当事業年度における経営成績は、電力・エネルギー分野での大規模電力会社からの追加受注や本番導入開発の加速により、同分野の売上が全体の約6割を占めるまでになりました。これにより、電力・エネルギー分野の合計売上高は1,202百万円(前期比47.9%増)と大幅な伸長を記録しました。物流・サプライチェーン分野においても、配船計画における運用・サポート売上の増加が寄与し、全体の売上の約3割を占めるに至りました。都市交通・スマートシティ分野では、鉄道会社における修繕計画最適化のAIエンジン開発が進展し、堅調に推移しました。これらの結果、3分野全体での取引先数および顧客平均売上は増加しました。AIエンジン及びシステム開発をフロー型売上、運用・サポートをストック型売上と定義しており、ストック型売上の拡大が収益の安定化に貢献しています。当事業年度の業績は、電力・エネルギー分野の牽引により、前年比で大幅な増収を達成しました。
強みと競争優位性
当社の強みは、AI技術、特に数理最適化アルゴリズムに関する高度な専門知識と、それを社会インフラ分野の計画最適化という具体的な課題解決に応用できる開発力にあります。社会インフラ分野は、その性質上、高度な専門知識と長年のノウハウが求められるため、新規参入の障壁が高いと認識しています。当社は、特に電力・エネルギー分野において、複数の大手電力会社へのシステム実装・運用実績を有しており、蓄積されたノウハウと先行者利益が競争優位性となっています。また、AI開発からシステム開発、運用・サポートまでを一貫して提供できる体制は、顧客のニーズにきめ細かく対応し、長期的な関係構築を可能にしています。さらに、顧客のコア業務である計画業務に深く関わることで、高いスイッチングコストを実現し、ストック型売上の拡大に繋げています。大学の研究者との連携による最新技術の取り込みや、開発プロセスの標準化・モジュール化も、競争力を維持・向上させるための重要な要素です。
リスク要因
事業環境に関するリスクとして、AI技術の急速な進展や市場の変化への対応遅れが挙げられます。競合環境においては、将来的な市場拡大を見込んだ国内外の新規参入による競争激化の可能性があります。業績変動リスクとしては、プロジェクトごとの見積もり精度の問題や、予期せぬ事態による工数増加、開発期間の遅延などが、プロジェクト収支の悪化や売上下振れに繋がる可能性があります。技術革新への対応遅れは、競争力の低下を招く恐れがあります。また、AI開発事業の拡大期においては、新規受注の進捗遅れや開発期間の延長が業績に影響を与える可能性があります。情報管理体制については、顧客の秘密情報を取り扱う性質上、情報流出やサイバー攻撃による損害賠償責任や信用失墜のリスクも存在します。さらに、従業員数109名(2025年6月30日現在)という小規模組織であること、優秀な人材の確保・育成の難しさ、特定人物への依存なども、事業運営上のリスクとして認識されています。
投資テーマとの関連
当社は、AI技術、特に計画最適化アルゴリズムをコアコンピタンスとしており、AI・機械学習といった最先端技術の活用に直接的に関わっています。また、電力・エネルギー分野におけるAI活用は、再生可能エネルギーの普及や電力需給の最適化を通じて、脱炭素社会の実現に貢献するテーマと強く関連しています。電力需要の増加が見込まれるデータセンターや半導体工場の新増設への対応も、エネルギーマネジメントやインフラ関連の投資テーマと結びついています。物流・サプライチェーン分野においては、DX推進による効率化・自動化のニーズに応えるソリューションを提供しており、これも投資テーマとなり得ます。さらに、経済産業省が推進する「グリーン成長戦略」における14分野のうち、エネルギー関連産業、輸送・製造関連産業、家庭・オフィス関連産業において、当社の最適化技術はCO2排出量削減やエネルギー効率向上に寄与する可能性があり、脱炭素関連の投資テーマとも関連が深いです。