事業概要
当社グループは、株式会社CEホールディングスを中核とし、5つの子会社と共に、電子カルテシステムを中心とした医療情報システムの開発・販売を主力事業として展開しています。ヘルスケアソリューション事業とマーケティングソリューション事業の2つのセグメントを擁し、売上の大部分はヘルスケアソリューション事業が占めています。ヘルスケアソリューション事業では、中小病院向けに自社開発の電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」を提供しており、特に最新バージョンである「MI・RA・Is V(ファイブ)」の更新が収益拡大に貢献しています。また、医療情報システムの受託開発・運用管理や、医療機関向け料金後払いシステムの販売も手掛けています。新規事業としては、患者と医師の情報共有を促進し、より良い治療を目指すスマートフォンサービス「ドクターコネクト」を推進しており、受診予約機能や電子カルテシステムとの連携も図っています。マーケティングソリューション事業では、企業向けWebサイト再構築、Webプロモーション支援、デジタルマーケティング人材育成、デジタルサイネージの販売などを行っています。
直近決算ハイライト
2025年9月期において、当社グループは売上高15,831百万円(前期比8.8%増)、売上総利益3,581百万円(前期比6.4%増)、営業利益1,411百万円(前期比22.9%増)、経常利益1,426百万円(前期比23.6%増)を達成し、売上高および各段階利益は過去最高を記録しました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,557百万円(前期は123百万円)と大幅に増加しました。これは、株式会社マイクロンとその子会社が持分法適用関連会社となった影響で医薬品・医療機器等の臨床開発支援の販売が減少したものの、主力である電子カルテシステムの販売・保守が好調に推移したことに加え、前期に計上した特別損失の反動や、株式会社マイクロンの株式一部譲渡に伴う特別利益の計上が寄与しました。ヘルスケアソリューション事業は売上高15,328百万円(前期比8.4%増)、セグメント利益1,454百万円(前期比16.6%増)と堅調に推移しました。マーケティングソリューション事業は売上高502百万円(前期比22.4%増)となりましたが、セグメント損失は8百万円と前期から大幅に縮小しました。
強みと競争優位性
当社グループの最大の強みは、医療IT分野、特に電子カルテシステム市場における確固たる地位です。約950件以上の導入実績と業界シェアTOP3というポジションは、新規参入が困難な市場において強固な参入障壁を築いています。長年の実績に裏打ちされた信頼と、医療機関のニーズを深く理解した製品開発力が、顧客基盤の維持・拡大に繋がっています。また、「MI・RA・Isシリーズ」という主力製品を中心に、部門システムやハードウェアとの連携、受託開発、料金後払いシステム、そして新規の「ドクターコネクト」といった周辺サービスまで、多角的なソリューションを提供できる体制が競争優位性となっています。さらに、経営方針としてAI活用を推進しており、電子カルテシステムへのAI導入による医療従事者の生産性向上や医療ミスのリスク低減は、今後の差別化要因となる可能性があります。全国の販売・SIパートナーとの連携強化も、トップベンダーを目指す上での重要な戦略です。
リスク要因
当社の事業運営におけるリスクとして、第一に製品・サービスの品質問題が挙げられます。自社製品だけでなく他社仕入れ製品を組み合わせたシステム提供のため、いずれかの品質低下が顧客満足度低下や対応コスト増に繋がる可能性があります。また、急速に進展するICT技術や医療業界の専門知識に対応できる人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、競争力の低下を招く恐れがあります。情報セキュリティリスクも無視できません。サイバー攻撃の増加に伴い、情報漏洩やシステム改ざんが発生した場合、賠償責任を負う可能性があります。さらに、電子カルテシステムに関する法規制やガイドラインの変更は、システム改修コストの発生や、対応の遅れによる競争力低下のリスクを伴います。競合他社との競争激化や、新たな参入者による市場シェアの奪取も、売上高や利益率の低下に繋がる可能性があります。新規事業である「ドクターコネクト」の普及が想定より進まない場合、投資回収が困難になるリスクも存在します。
投資テーマとの関連
当社グループは、医療・ヘルスケア分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進という、現代社会における重要な投資テーマと深く関連しています。政府は「骨太方針2025」や「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、医療・介護DXを推進し、全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ導入の普及を掲げています。当社グループの主力事業である電子カルテシステムは、こうした政策の推進に直接的に貢献するものであり、医療機関におけるIT化の進展とともに、その需要は今後も拡大が見込まれます。また、AI技術の活用を経営方針に掲げ、医療現場での生産性向上や医療安全の強化を目指している点は、AI技術の社会実装という投資テーマとも親和性が高いと言えます。PHR(Personal Health Record)情報の利活用といった新たな医療ITの潮流にも、スマートフォンサービス「ドクターコネクト」を通じて対応しようとしており、ヘルスケア領域におけるテクノロジー活用という観点から、投資妙味があると考えられます。