事業概要
当社グループは、1947年の創業以来、「自然の恵みをくらしに活かす企業」として、松由来のロジンや脂肪酸、テレピン油を主原料とするパインケミカル事業を中核に、多角的な事業展開を行っています。主要事業は、塗料用樹脂、印刷インキ用樹脂、合成ゴム用乳化剤などを製造する「樹脂・化成品」、紙の強度や耐水性を向上させる「製紙用薬品」、はんだ付け材料や半導体レジスト用樹脂を扱う「電子材料」、そして海外拠点を中心に粘接着剤用樹脂などを製造する「ローター」の4セグメントです。その他、ホテル・ゴルフ場運営、業務用洗剤・食品販売なども手掛けています。パインケミカル分野におけるトップ企業を目指し、コア技術を深化させるとともに、石油化学原料のバイオマスへの代替や、ライフサイエンス分野への展開も視野に入れた研究開発を進めています。2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「NEW HARIMA 2026」のもと、企業価値向上を目指しています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比2.7%増の1,038億円となりました。これは、海外事業における北米での販売好調や、国内事業での拡販努力によるものです。利益面では、売上高の増加に伴い、営業利益が同57.6%増の33億円と大幅に増加しました。経常利益も同125.3%増の30億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同207.3%増の23億円と、増収増益を達成しました。特に、樹脂・化成品事業では、国内販売増加により営業利益が262.6%増と大きく伸長しました。製紙用薬品事業も増収増益を確保しています。一方で、電子材料事業は原材料価格高騰や人員増により微減益、ローター事業は製造コスト上昇により大幅な減益となりました。総資産は1,029億円(前期比2.8%増)、純資産は348億円(前期比4.1%増)となり、自己資本比率は39.7%に改善しました。営業キャッシュフローは79億円(前期比27.9%増)と堅調でした。
強みと競争優位性
当社の強みは、創業以来培ってきたパインケミカル分野における高い技術力と、松由来の持続可能な原料を活用するビジネスモデルにあります。特に、ロジンや脂肪酸といった天然資源を基盤とした製品群は、環境意識の高まりとともにその重要性を増しています。また、樹脂・化成品、製紙用薬品、電子材料、そして海外事業であるローター事業といった多角的な事業ポートフォリオは、特定の市場変動に対するリスク分散に貢献しています。各セグメントにおいて、塗料用樹脂や紙力増強剤、はんだ付け材料など、それぞれの分野で独自の技術や製品開発力を有しており、顧客ニーズに応じたカスタマイズや高付加価値製品の提供が可能です。さらに、グローバルに製造・販売拠点を展開していることも、国際的な市場での競争力強化に繋がっています。中期経営計画においては、成長分野への資本配分強化や、コア技術の深化、新規事業・成長分野への研究開発投資を推進しており、持続的な成長基盤の強化を図っています。
リスク要因
当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、まず、世界経済の変動や地政学リスクが挙げられます。販売国の経済状況、政情不安、貿易摩擦などは製品需要に影響を与え、イラン戦争のような世界情勢の緊迫化は原材料調達、物流、エネルギーコストに影響を及ぼす懸念があります。また、ロジン、粗トール油、石油化学製品といった原材料の調達価格変動リスクや、サプライチェーンの混乱リスクも存在します。為替レートの変動も、海外事業を多く手掛ける当社にとって業績に影響を与える要因です。事業運営面では、生産活動における事故、製造物責任、情報セキュリティ侵害のリスクが考えられます。特に、爆発や有害物質漏洩といった生産事故は、従業員や地域住民の安全確保に加え、生産能力低下や信頼失墜に繋がる可能性があります。さらに、各国での法規制の改正や、国際的な規制強化も事業展開に影響を与える可能性があります。
投資テーマとの関連
当社グループは、パインケミカル事業を中核とし、持続可能な天然資源の活用という点で、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点から注目される可能性があります。特に、石油化学原料からの脱却やバイオマスへの代替を推進している点は、環境負荷低減に貢献する企業として評価され得ます。また、電子材料事業においては、半導体レジスト用樹脂や、自動車の熱交換器用ろう付け材料などを製造しており、半導体産業やEV(電気自動車)関連市場との関連性も有しています。中期経営計画においても、A1需要が見込まれる半導体レジスト用樹脂など高成長分野への資本配分強化を掲げており、これらの成長テーマとの連動性が今後高まることが期待されます。バイオテクノロジーを活用したライフサイエンス分野への展開も、新たな成長ドライバーとなる可能性があります。