事業概要
当社グループは、化粧品・トイレタリー・医薬品・食品の製造販売、および化粧雑貨の仕入販売を主軸とする企業グループです。主力事業である化粧品事業では、㈱ノエビアを中心に、委託販売契約を結んだ代理店を通じて顧客に直接対面販売するカウンセリング化粧品と、常盤薬品工業㈱が展開するドラッグストアやバラエティショップ等で販売されるセルフ化粧品、そしてOEM事業があります。医薬・食品事業では、常盤薬品工業㈱が一般用医薬品、医薬部外品、食品の製造販売を手掛け、㈱常盤メディカルサービスが仕入販売を担っています。その他事業としては、アパレル・ボディファッションの仕入販売、航空運送事業、航空機操縦訓練事業、航空機・船舶等の仕入販売など多岐にわたります。国内に加え、米国、カナダ、台湾、中国、欧州など海外でも事業を展開しており、グローバルな市場での成長を目指しています。
直近決算ハイライト
2025年9月期(2024年10月1日~2025年9月30日)の業績は、売上高が647億24百万円(前期比1.4%増)となりました。営業利益は110億75百万円(同3.0%減)と微減でしたが、経常利益は117億74百万円(同1.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は80億30百万円(同0.8%増)と、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を記録しました。セグメント別では、化粧品事業は売上高505億25百万円(同1.5%増)、セグメント利益122億92百万円(同0.5%増)と堅調に推移しました。医薬・食品事業は売上高115億35百万円(同0.8%増)でしたが、セグメント利益は980百万円(同20.4%減)と減少しました。その他の事業も売上高は26億64百万円(同1.8%増)と増加しましたが、セグメント利益は301百万円(同8.9%減)となりました。財政状態としては、総資産は764億92百万円、純資産は542億9百万円となり、自己資本比率は70.3%と高い水準を維持しています。
強みと競争優位性
当社の強みは、長年にわたり培ってきた化粧品事業におけるブランド力と、多角的な販売チャネルにあります。特に、㈱ノエビアのカウンセリング化粧品は、委託販売契約を結んだ販売代理店を通じた対面販売により、顧客との深い関係性を築き、高い顧客ロイヤリティを維持しています。また、常盤薬品工業㈱が展開するセルフ化粧品は、ドラッグストアや医療機関といった幅広いチャネルで展開されており、多様な消費者のニーズに対応しています。医薬・食品事業においても、一般用医薬品や食品分野で一定のブランドと販売網を有しており、事業の安定化に寄与しています。さらに、過去最高益を達成した親会社株主に帰属する当期純利益からも伺えるように、持続的な利益創出能力は競争優位性の一つと言えます。研究開発への投資も継続しており、変化の激しい市場において、時代に即応した新商品開発力は今後の成長に不可欠な要素となります。
リスク要因
当社の事業運営にはいくつかのリスク要因が存在します。まず、化粧品事業の委託販売制度は、「特定商取引に関する法律」の規制を受けるため、同法の改正があった場合には販売方法の見直しが必要となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主力商品である基礎化粧品の売上は、年2回の「スキンケアフェア」に集中する傾向があり、その動向が業績に影響を与える可能性があります。景気変動の影響も無視できません。化粧品は嗜好性の高い商品であるため、個人消費の低迷は業績に直接的な打撃を与える可能性があります。さらに、自然災害や感染症の流行は、生産拠点での操業停止や物流の混乱を招き、商品の供給停止や復旧費用発生のリスクを伴います。製造物責任やクレーム、風評リスクも、品質管理体制の徹底が求められる要因です。研究開発の遅延や、消費者のニーズに合わない新商品開発も、競争力低下につながる可能性があります。
投資テーマとの関連
当社は、直接的なAI、半導体、EVといった最先端技術テーマとの関連性は薄いものの、人々の生活に密着した消費財を扱う企業として、長期的な視点での「ウェルビーイング」や「QOL向上」といったテーマに関連すると考えられます。化粧品事業は、美や健康への関心の高まりを背景に、市場の拡大が期待されます。特に、シニア層の増加や健康志向の高まりは、医薬・食品事業における栄養補助食品や機能性ドリンクといった分野への追い風となる可能性があります。また、環境問題への意識の高まりは、サステナブルな製品開発や製造プロセスへの投資を促し、ESG投資の観点からも注目される可能性があります。ただし、これらのテーマとの関連性は、あくまで間接的であり、直接的な成長ドライバーとなるかは今後の事業戦略や市場環境の変化に依存すると言えるでしょう。