事業概要
E02289は、半導体製造装置および計測機器の製造・販売を主軸とする企業グループです。半導体製造装置事業では、ウェーハの加工・検査に用いられるプロービングマシンやダイシングマシンなどを手掛けており、特にHBM(High Bandwidth Memory)向けプローバやAIパッケージング工程向けのグラインダなどが主要製品として挙げられます。計測機器事業では、三次元座標測定機や表面粗さ・輪郭形状測定機といった精密測定機器を提供しています。これらの事業は、当社グループが長年培ってきた精密測定技術と精密加工技術を基盤としており、世界No.1の商品創出を目指しています。社内カンパニー制を採用し、半導体社、計測社、業務会社の3体制で、それぞれの顧客に対して機動的かつ迅速な対応を行うことで、顧客満足度の向上と業績拡大を図っています。グローバルに事業を展開しており、海外売上高が連結売上高の過半を占めるなど、国際社会に貢献しています。
直近決算ハイライト
2026年3月期の決算は、売上高が前期比10.8%増の1,668億円となりました。これは、AIやHPC関連の設備投資増加に伴う半導体製造装置部門の需要拡大、および国内のものづくり関連投資の安定と航空・宇宙・防衛分野の新規獲得による計測機器部門の増収が牽引した結果です。営業利益は同13.6%増の337億円、経常利益は同16.3%増の348億円と、増収効果により利益も順調に伸長しました。しかしながら、親会社株主に帰属する当期純利益は、第2四半期に計上された半導体製造装置部門の一部製品に関する不具合対策費用等の影響により、前期比3.5%減の247億円となりました。純資産は同8.9%増の1,828億円と堅調に推移しましたが、営業キャッシュ・フローは同13.2%減の250億円と減少しました。一株当たり配当は同3.6%増の262円となっています。
強みと競争優位性
同社の強みは、半導体製造装置および計測機器分野における高度な精密測定技術と精密加工技術にあります。特に、半導体製造装置分野では、AIやHPCといった先端技術の進化に対応した高付加価値製品の開発・提供能力が競争優位性の源泉となっています。HBM向けプローバやAIパッケージング工程向けグラインダなど、成長分野における顧客ニーズを捉えた製品開発が、堅調な受注と売上を支えています。また、「計測で未来を測り、半導体で未来を創る」というパーパスのもと、世界No.1の商品開発体制構築を目指し、国内外の企業や個人とのWIN-WINの関係構築に努めている点も特徴です。グローバルに展開する販売・サービス網も、地域ごとの顧客ニーズにきめ細かく対応するための基盤となっています。さらに、社内カンパニー制による迅速な意思決定と、品質向上・生産革新への継続的な取り組みが、競争の激しい市場環境下での優位性を維持・強化しています。
リスク要因
同社を取り巻くリスクとしては、まずグローバルな事業展開に伴う販売活動に係るリスクが挙げられます。半導体製造装置および計測機器の需要は、世界経済の動向、為替レートの変動、さらには貿易摩擦や地政学リスクの影響を受けやすい性質を持っています。特に、海外売上高が過半を占めるため、外国為替の変動や輸出入規制の変更は業績に直接的な影響を与える可能性があります。また、技術革新のスピードが速い分野であるため、研究開発の成否や製品化の遅延は競争力低下に繋がるリスクがあります。生産活動においても、部材の価格高騰や供給不足、予期せぬ設備トラブル、さらには製品の品質上の欠陥による信用の失墜といったリスクが存在します。加えて、環境規制の強化やコンプライアンス違反による社会的信用の低下も、業績に影響を及ぼす可能性があります。
投資テーマとの関連
E02289は、AI(人工知能)および半導体分野への投資テーマとの関連性が非常に高い企業です。特に、生成AIやHPC(High Performance Computing)の普及に伴う半導体需要の増加は、同社の主力事業である半導体製造装置部門にとって追い風となっています。HBM(High Bandwidth Memory)向けプローバやAIパッケージング工程向けグラインダといった製品は、まさにこれらの先端技術の進化を支える重要な役割を担っています。また、計測機器事業においても、航空・宇宙・防衛分野といった成長分野への展開は、次世代技術への貢献を示唆しています。同社は、これらの成長分野において最先端技術を駆使した製品開発に注力しており、中長期的には「ROE15%」「連結売上高1,850億円」「連結営業利益450億円」を目標に掲げていることから、今後もこれらの投資テーマの中心で成長を続けることが期待されます。