事業概要
当社の主要事業は、予防医療を切り口としたヘルスケアDXの推進であり、健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。事業は単一のヘルステック事業セグメントに分類され、サービス提供内容によって「予約」「広告」「DX」「ワクチン」の4つに区分されています。売上構成比を見ると、2025年12月期(予測値)では「予約」が56.5%と最も大きく、次いで「広告」が28.2%、「DX」が15.2%、「ワクチン」が0.1%となっています。主なサービスである「MRSO.jp」は、人間ドック・健診予約サイトとして国内No.1の掲載医療施設数を誇ります。このプラットフォームを通じて、個人および法人向けの予約サービス、医療施設や企業向け広告、さらには医療施設や行政、法人向けのDXソリューションを提供しています。特に、市場規模が大きい法人予約市場への本格参入を2025年4月に開始し、中長期的な成長の牽引役として位置づけています。
直近決算ハイライト
2025年12月期(予測値)の連結売上高は10億7809万円(前期比19.1%減)となる見込みです。これは、新型コロナウイルスワクチン接種予約システムのサービス提供終了に伴うワクチン売上の大幅な減少(前期比99.4%減)および、Google検索アルゴリズムの変更やAI検索の普及により自然流入数に影響が出たことによる予約売上の減少(前期比3.2%減)が主な要因です。一方で、広告売上は0.2%増と微増で推移しています。DX売上は、医療施設や行政、法人向けにWEB予約システムや健康管理業務のデジタル化支援を提供しているものの、前期比30.7%減と大きく減少しています。これらの要因から、当期は3393万7千円の営業損失(前期は営業利益1億5751万7千円)を見込んでいます。純資産は19億4898万4千円(前期末比7337万5千円減)となっており、自己株式取得や当期純損失の計上が影響しています。
強みと競争優位性
当社の最大の強みは、人間ドック・健診予約サイト「MRSO.jp」が持つ国内No.1の掲載医療施設数と、それによって形成される広範な顧客基盤です。これにより、業界内での高い認知度と集客力を有しています。また、個人予約市場で培ったノウハウに加え、市場規模が約10倍と大きい法人予約市場への本格参入(2025年4月開始)は、新たな成長ドライバーとなり得ます。法人予約では、パートナー企業や企業・健保組合との直接契約モデルを採用しており、加盟団体数の増加と共に利用者基盤を拡大できる契約積み上げ型のビジネスモデルは、外部プラットフォームへの依存度が低く、持続的な成長が見込める点が競争優位性となります。さらに、医療施設や行政、法人向けのDXサービス提供能力は、デジタル化の遅れが指摘される医療・福祉サービス業において、顧客の業務効率化やデータ活用高度化に貢献できる強みと言えます。HCPF(ヘルスケアプラットフォーム)とDXの両サービスを提供することで、参入障壁を高めている点も重要です。
リスク要因
当社の事業運営における主要なリスクとしては、まず人間ドック・健診市場の動向が挙げられます。政府や自治体の社会保険財政の状況、医療施設の動向によって市場が減退する可能性があります。また、健診代行機関や健康管理支援システム提供企業など新規参入者との競争激化も懸念されます。技術トレンドやユーザーニーズの変化に十分に対応できない場合、サービスの優位性が損なわれるリスクがあります。さらに、主要なクラウドサービスとしてAmazon Web Services(AWS)を利用しているため、AWSの障害や利用料改定、経営戦略変更などが事業運営に影響を与える可能性があります。顧客情報管理においては、個人情報漏洩が発生した場合、訴訟や信用棄損につながる重大なリスクを抱えています。外部検索エンジン(Google等)のアルゴリズム変更やAI検索機能の拡充は、検索サイト経由の流入に依存する当社にとって、集客効果の低下という形で業績に影響を及ぼす可能性があります。
投資テーマとの関連
当社の事業は、「ヘルスケアDX」という投資テーマと強く関連しています。健康寿命の延伸という社会的な課題に対し、予防医療へのアクセスしやすい環境を創出することで貢献を目指しています。特に、日本が直面する少子高齢化や労働人口減少といった構造的な問題に対し、予防医療の推進と健康管理への重点化は政府の政策課題でもあり、当社の事業はその流れに合致しています。「人生100年時代」やコロナ禍を経て高まった健康意識も、市場の追い風となるでしょう。また、医療・福祉サービス業におけるDX推進は、国策としても重要視されており、当社のDXサービスは、IT活用が遅れている医療施設や行政の業務効率化、データ活用高度化に貢献するポテンシャルを持っています。法人予約市場への注力は、BtoB SaaSとしての成長戦略とも言え、DX推進という側面から投資テーマとの関連性は高いと言えます。