事業概要
当社の事業は、ITを通じて社会に貢献することを経営理念に掲げ、企業が抱える経営課題に対し、システムの設計・開発から保守・運用まで一貫したITサービスをワンストップで提供するものです。主要な事業セグメントは、顧客からシステム設計・ソフトウェア開発を受託する「システム開発」、コンピュータ機器の保守やシステム全般の支援を行う「サービス」、そしてコンピュータ機器やソフトウェアパッケージを販売する「システム機器等販売」の3つです。特に「システム開発」においては、自社開発パッケージのカスタマイズやソリューション提供が中心となっています。また、連結子会社としてエブリ株式会社、NCSサポート&サービス株式会社、恩愛軟件(上海)有限公司を有しており、開発業務の一部を外部委託することで事業運営を行っています。売上構成比においては、2026年3月期では自社製品によるソリューションが68億35百万円、システムインテグレーションが79億96百万円、機器・パッケージ販売が24億39百万円、受託開発が52億14百万円となっており、システムインテグレーションと自社製品ソリューションが事業の柱となっています。
直近決算ハイライト
2026年3月期において、当社は売上高225億円(前期比+9.7%)を達成し、堅調な成長を示しました。営業利益は27億円(前期比+36.1%)と大幅な増加を記録し、利益率の改善が見られます。経常利益も29億円(前期比+36.1%)と好調でした。一方、当期純利益は21億円(前期比-2.0%)と微減しましたが、これは前期に法人税等調整額(益)が計上された反動によるものです。純資産は131億円(前期比-3.2%)となりましたが、これは自己株式の取得や配当金の支払いなどが影響したと考えられます。営業キャッシュ・フローは30億円(前期比+34.5%)と大きく増加しており、本業でのキャッシュ創出力が高まっていることを示しています。EPSは132.51円(前期比+1.5%)、BPSは917.57円(前期比+4.4%)と、株主資本の価値も着実に増加しています。特筆すべきは、1株配当が58.00円(前期比+45.0%)と大幅に増配された点であり、株主還元への積極的な姿勢がうかがえます。
強みと競争優位性
当社の強みは、顧客の経営課題に対して、システム開発から保守・運用まで一貫して提供できるワンストップサービス体制にあります。これにより、顧客との長期的な関係構築が可能となり、安定した収益基盤を築いています。特に、自社ソリューションの強化と主力ソリューションへの投資拡大は、他社との差別化を図る上で重要な戦略です。「マイグレーションセンター」化による共通タスク集約や、マイグレーション後のシステム保守事業開始など、既存事業の持続的な成長促進にも注力しています。また、「社内スタートアップ制度」を通じて、生成AIなどの最新技術を活用した新規事業創出や、AI活用人材の育成にも積極的に取り組んでおり、将来の競争力強化に繋げています。日本電気株式会社(NEC)の販売特約店としての位置づけも、安定した事業収入の柱の一つとなっていますが、顧客企業との直接取引拡大にも努め、取引先依存リスクの低減を図っています。
リスク要因
当社が認識している主要なリスクとしては、まず経済情勢の変化が挙げられます。AI需要の高まりに伴う半導体不足や地政学的リスクによるコスト増加、企業IT投資の抑制などが業績に影響を及ぼす可能性があります。また、大型案件が増加傾向にあるシステム開発においては、仕様変更等による工数増から不採算プロジェクトが発生するリスクや、外部委託先での予期せぬ事態による影響も想定されます。さらに、NECの販売特約店であることから、NECグループの経営方針や取引関係の変更が業績に影響を与える可能性も否定できません。加えて、情報セキュリティ事故による信用失墜や損害賠償責任、優秀な人材の確保難や離職率の上昇による事業への影響なども、経営上の重要な課題として認識されています。これらのリスクに対し、同社は品質マネジメントシステムの構築、コンプライアンス教育の強化、情報セキュリティ体制の整備、人材育成・定着施策などを実施し、リスクの低減に努めています。
投資テーマとの関連
当社の事業は、情報サービス産業に属しており、特に生成AIやクラウド、デジタルトランスフォーメーション(DX)といった現代の主要な投資テーマと深く関連しています。経済産業省が提唱する「2025年の崖」を背景としたレガシーシステム刷新や、企業におけるIT投資の拡大は、当社のシステム開発・インテグレーション事業にとって追い風となっています。生成AI技術を活用したシステム可視化ソリューション「ReverseNeo」の新バージョンリリースや、プログラムコードからの技術ドキュメント自動生成を実現する「DocHelper」のリリースなど、最新技術の導入に積極的に取り組んでいる点は、AI関連テーマへの貢献度を示唆しています。また、AI活用人材の育成や、社内でのAI活用環境整備は、AI技術の普及・定着に貢献するものです。これらの取り組みは、AI、DXといった成長分野への投資を検討する投資家にとって、魅力的な要素となり得ると考えられます。