このテーマとは

コンテンツは、アニメ・漫画・ゲーム・音楽・映画・テレビ番組・キャラクター・ライセンス・電子書籍・配信プラットフォームなど、創作・表現に基づくIP(知的財産)の制作・流通・消費に関わる産業全体を指す。

本テーマには、(1) 制作・出版社(出版・アニメ制作・音楽レーベル・ゲーム開発)、(2) 配信プラットフォーム(動画・音楽・電子書籍)、(3) IP活用ライセンス事業(キャラクター商品化・テーマパーク・コラボ)、(4) 広告・マーケティング(コンテンツ広告・タイアップ)、(5) 玩具・グッズ製造、まで含まれる。

なぜ注目されているのか

日本のコンテンツ産業は、世界的に高い競争力を持つ数少ないソフト・パワー領域。経済産業省の「コンテンツ産業海外展開戦略」では、コンテンツ産業の海外展開を国家戦略として位置付け、輸出拡大を図っている。アニメ産業の市場規模は2023年に約3.3兆円(広義、海外売上含む)、海外売上比率は5割超まで拡大した。

需要面の追い風は、(1) Netflix・Disney+・Crunchyrollなどグローバル配信プラットフォームでの日本アニメ需要増加、(2) Spotify等のサブスク音楽配信での日本J-POPの世界的流通、(3) eスポーツ・ゲーム配信市場の成長、(4) 電子書籍・縦読みマンガ(ウェブトゥーン)市場の拡大、(5) 訪日インバウンド観光と連動したコンテンツツーリズム(聖地巡礼)、(6) キャラクターIPのライセンス活用(玩具・コラボ商品・テーマパーク)、と多層的。

特にIP保有企業の評価倍率は構造的に上昇している。1作のヒットIPがアニメ・映画・ゲーム・グッズ・テーマパーク・配信ライセンスと複数の収益源を生み、長期にわたり継続収益を生むストック性ビジネスとして再認識されている。海外の大手エンタメ企業との提携・買収案件も増加している。

ただし、コンテンツ制作はヒット率が予測困難で、業績は作品ヒット・スマッシュフロップで大きく振れる。創作業界の労働環境(アニメーター低処遇問題等)も継続的な業界課題で、人材確保コストの上昇も粗利を圧迫する要因となっている。

関連する事業領域

含まれる業種は、情報・通信業(ゲーム開発・配信プラットフォーム・電子書籍)、出版(出版社・電子コミック)、放送・映像(テレビ・映画・アニメ制作)、その他製品(玩具・キャラクターグッズ)、サービス業(コンテンツマーケティング・タレント事務所)、卸売業(コンテンツ流通)など。

「コンテンツ銘柄」と一括りにしても、(a) 出版・電子コミック、(b) アニメ制作、(c) ゲーム開発・運営、(d) 音楽・タレント、(e) 配信プラットフォーム、(f) IP保有・ライセンス活用、で収益構造が全く異なる。IP保有企業はストック収入・ライセンス収入の比重が高く評価倍率も高めに付きやすい。

財務的にどう評価するか

コンテンツ企業の評価軸は、(a) 主力IPの売上規模・寿命、(b) 海外売上比率、(c) IP保有数とライセンス収入比率、(d) 営業利益率、を見る。長寿IPを複数保有する企業(数十年単位の継続コンテンツ)は、売上の安定性と価格決定力を持ちやすい。

ゲーム開発・運営企業では、(a) 主力タイトルのDAU・MAU・ARPU、(b) 新作ヒット率、(c) 海外比率、(d) IPライセンス展開、を見る。ヒット作依存度が高い企業は、新作の成功・失敗で業績が大きく振れるため、複数IPでポートフォリオ化できているかが安定性を左右する。

落とし穴は、(1) ヒット作頼みの業績ボラティリティ、(2) 海外プラットフォーム依存度(配信プラットフォームの手数料引き上げリスク)、(3) AI生成コンテンツとの競合、(4) 創作業界の労働問題と人件費上昇、(5) クールジャパン関連補助金など政策依存。中期計画でIPポートフォリオの多様化と海外展開戦略を確認したい。

該当銘柄の見方

該当社では、(a) 主力IPの売上比率と寿命、(b) 海外売上比率の方向感、(c) ライセンス収入・継続収入の比率、(d) 新作ヒット率と過去のサイクル、を確認したい。

関連テーマのゲームインバウンド動画配信SNS広告eスポーツ を併読すると、コンテンツ産業の流通・消費・収益化の全体像が掴みやすい。