このテーマとは
健康食品は、健康維持・増進・予防を目的に摂取される食品全般。具体的には、(1) サプリメント(ビタミン・ミネラル・アミノ酸・プロテイン等)、(2) 特定保健用食品(トクホ)、(3) 機能性表示食品、(4) 栄養機能食品、(5) プロテイン・スポーツニュートリション、(6) 漢方・健康茶・健康ドリンク、(7) 美容・エイジングケア食品、を含む。
本テーマには、健康食品メーカー、健康食品向け原料メーカー(機能性素材・原料卸)、ECチャネル運営、ドラッグストア、ヘルスケア専門小売、健康食品OEM受託、まで広く含まれる。
なぜ注目されているのか
国内健康食品市場は約1.4兆円規模(2023年、機能性表示食品・トクホ含む広義)で、高齢化と健康意識の高まりを背景に堅調な成長が続く。健康食品は次の3つの構造的要因で需要が支えられる。
(1) 高齢化:日本の65歳以上人口は約3,640万人(2024年、約29%)、2040年には約3,900万人(35%超)まで拡大。高齢者の健康維持・予防医療への支出は構造的に増加する。
(2) 機能性表示食品制度:2015年施行の機能性表示食品制度により、企業は科学的根拠を提出することで「機能性表示」が可能になった。届出件数は2024年時点で約8,000件超に達し、機能性表示食品市場は約7,500億円規模まで拡大。トクホ市場(約7,500億円)と並ぶ規模に成長した。
(3) インバウンド・越境EC:日本の健康食品・サプリメントは、品質・安全性に対する海外消費者の信頼が厚く、訪日インバウンド観光と越境ECで海外売上が拡大している。特に中国・東南アジア・米国向けの越境EC、空港・ドラッグストアでの訪日客販売が成長している。
ただし、機能性表示食品制度は2024年の紅麹サプリメント健康被害事件を機に、機能性関与成分の安全性・品質管理・健康被害情報報告について規制強化が進められた。今後は機能性表示の根拠・安全性確認のコストが増加し、業界全体での品質・GMP管理体制の整備が求められる。
技術トレンドとしては、(a) 個別化栄養(パーソナライズドサプリ)、(b) ウェアラブル機器との連携、(c) DNA・腸内細菌検査と連動した提案、(d) プラントベース・代替プロテイン、(e) アンチエイジング新素材(NMN、エクソソーム等)、が成長領域。
関連する事業領域
含まれる業種は、食料品(健康食品メーカー・サプリメント・機能性食品)、化学(機能性素材・原料)、小売業(ドラッグストア・ヘルスケア専門店・通販)、医薬品(OTC医薬品メーカーの健康食品事業)、卸売業(健康食品卸)、サービス業(健康食品OEM受託)など。
健康食品のサブテーマは、(a) サプリメント・機能性表示食品、(b) スポーツニュートリション・プロテイン、(c) 美容・エイジングケア食品、(d) 漢方・健康茶、(e) 食品系(ヨーグルト・健康ドリンク等)、で消費者層・販売チャネルが異なる。
財務的にどう評価するか
健康食品企業の評価軸は、(a) 売上成長率(YoY)、(b) 粗利率(業界平均40〜55%、ECメーカーは60%超)、(c) 販管費率(広告宣伝費比率の高さが特徴)、(d) リピート率・LTV、を見る。
販売チャネル別の特性として、(a) ドラッグストア・量販店向け(卸売型・薄利・大量販売)、(b) 自社EC・通販(高粗利・広告費負担大)、(c) 訪販・MLM(人的販売チャネル)、(d) 越境EC・インバウンド、で収益構造が大きく異なる。EC・通販中心の企業は、CAC(顧客獲得コスト)回収期間とLTV(顧客生涯価値)の関係を確認したい。
落とし穴は、(1) 機能性表示の科学的根拠不足や健康被害発生による信頼喪失リスク、(2) 広告規制(薬機法・景品表示法)違反による課徴金・行政処分、(3) 中国・東南アジア越境EC市場の規制変更による売上急減、(4) 大手参入による価格圧力、(5) 「健康食品関連」と打ち出していても売上構成比が小さい、の5点。
該当銘柄の見方
該当社では、(a) 売上成長率と粗利率の方向感、(b) 販売チャネル構成、(c) リピート率・LTV、(d) 海外売上・越境EC比率、を確認したい。
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