このテーマとは
ロボティクスは、機械工学・電気工学・情報工学を統合してロボットを設計・製造・運用する技術領域。具体的には、(1) 産業用ロボット(多関節・スカラ・直交・パラレル)、(2) 協働ロボット(人と協働可能な低出力ロボット)、(3) サービスロボット(清掃・配膳・案内・警備)、(4) 自律移動ロボット(AMR・AGV)、(5) 物流ロボット(倉庫ピッキング・搬送)、(6) 医療・介護ロボット、(7) 建設ロボット、(8) ドローン・UGV(無人地上車)、を含む。
本テーマには、ロボットメーカー、ロボット部品メーカー(モーター・減速機・センサー)、システムインテグレーター、ロボットOS・制御ソフト、AIロボット、まで広く該当する。
なぜ注目されているのか
ロボティクス市場は、(1) 製造業の人手不足対応、(2) サービス業(飲食・物流・小売・清掃)の人手不足対応、(3) 介護・医療の労働力不足、(4) 高齢化社会の生活支援、(5) 危険作業の自動化(建設・原発・防災)、を背景に長期成長が見込まれる。世界の産業ロボット市場規模は約2.5兆円(2024年)、サービスロボット含めると5兆円超で、年8〜10%成長と推計される。
日本企業は産業ロボット領域でグローバルシェア5割超を占める「ロボット大国」。多関節ロボット・減速機・サーボモーター・FA機器など、産業用ロボット周辺の主要部品で日本企業がシェア上位を独占する構造がある。一方、サービスロボット領域では中国・米国メーカーの台頭が目立ち、競争激化が進む。
技術トレンドとしては、(a) AI×ロボティクス(深層強化学習による動作獲得・物体認識)、(b) ヒューマノイドロボット(汎用人型ロボットの実用化研究)、(c) 協働ロボット普及(中小企業への展開)、(d) 倉庫物流ロボット(EC拡大対応)、(e) 自律移動ロボット(AMR)の屋外進出、(f) ロボットOS標準化、が成長領域。
ただし、サービスロボット・新領域ロボティクスは、立ち上げ初期で実用性・経済性に課題を残す段階の製品も多い。実証実験段階から本格商用化への移行ペースを見極める必要がある。
関連する事業領域
含まれる業種は、機械(産業ロボット・ロボット部品・FA機器)、電気機器(モーター・センサー・サーボシステム・制御機器)、情報・通信業(ロボットOS・ロボット用AI・SaaS)、サービス業(システムインテグレーター・運用支援)、その他製品(ロボット完成品・サービスロボット)など。
ロボティクスのサブテーマは、(a) 産業用ロボット(多関節・スカラ等)、(b) ロボット部品(減速機・モーター)、(c) サービスロボット、(d) 物流ロボット・AGV、(e) 医療・介護ロボット、(f) 建設・農業ロボット、(g) ドローン、で市場・成長性が異なる。
財務的にどう評価するか
ロボット関連企業の評価軸は、(a) 売上構成(ロボット本体/部品/サービスの比率)、(b) 受注残・受注高、(c) 営業利益率(産業ロボットメーカー10〜15%、ニッチトップ部品メーカー15〜25%)、(d) 海外売上比率、を見る。減速機・サーボモーターなど特定カテゴリーで世界シェア5割超を持つニッチトップ企業は、価格決定力と高粗利率を維持しやすい。
産業ロボット業界はサイクル性が強く、製造業の設備投資サイクルに業績が連動する。受注残推移を四半期ベースで追い、book-to-bill比率(受注÷売上)で需要の方向感を確認したい。
サービスロボット・新興領域では、(a) 出荷台数、(b) 1台あたり収入(販売/サブスク/運用代行モデル)、(c) ストック収入比率、(d) 主要顧客(外食・物流・介護等)、を見る。新興領域は黒字化前のベンチャーも多く、手元現金・成長率で評価する段階が続く。
落とし穴は、(1) 製造業設備投資サイクル悪化で受注急減、(2) 中国メーカーの台頭による価格圧力、(3) 「ロボット関連」と打ち出していても売上構成比が小さい、(4) サービスロボット商用化の遅れ、(5) 為替(円安局面で輸出企業は追い風)、の5点。
該当銘柄の見方
該当社では、(a) 売上構成と主力領域、(b) 受注残・book-to-bill、(c) 営業利益率と海外売上比率、(d) サービスロボット・新領域への進出度、を確認したい。
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